Y.G.は絶対に会場にいるはず!
ただ姿を見せたくないだけだ。
「ダメです!この賞はY.G.のものです!」
すると、客席から騒ぎ声が上がった。
「そうそう、ステージには見た目もまあまあの二人がいるし、浪兄さんもあんなにイケメンだし、Y.G.さん、顔を立ててよ~」
「Y.G.さん、浪兄さんを見てあげて、お願い!!」
会場の女性観客たちは、声を競うように叫んでいた。
他の観客や選手たちも思わず笑いだした。
ステージ上。
柴田浪のチームメイトも感慨深げに言った。
「まさか、こんな風に文化人と近づけるとは思わなかった。」
かつては、先生たちの目の上のたんこぶだったのに。
今やY.G.が試合を見に来てくれるなんて、この感覚は最高だ。
「文化人も僕たちの試合を見に来てくれるんだね。」
チームメイトたちは冗談めかして言った。