第462章 彼女より自然に呼んでいる

「本当に思いつきで行動するんですね」

秋木謙は無言で微笑んだ。

「面白い人に出会うのは久しぶりだからね」

老人は窓の外を見ながら笑って言った。

……

その時。

A.M.計算研究所でも波紋が広がっていた。

金井雅守はマーカスに電話をかけた。「南崎希が雲城に来ていることを知っているか?」

マーカスは金井雅守がこの人物について触れるとは思っていなかったようで、長い間沈黙した後、「彼は既に行っているよ。ヒギンズ家族は後継者と財産分与の件で長いこと揉めていたからね」

金井雅守もしばらく黙り込んだ。「じゃあ、彼がここで後継者を選ぶつもりだということは知っているか?」

「この老いぼれは気が狂ったのか??」マーカスは体が凍りついたかのように固まり、すぐさま驚きのあまり罵声を上げた。

この南崎希は、はるばる雲城まで後継者を探しに来たというのか!??