第466話 月例テストで頑張って50位以内に?

「この問題が解けないなら、帰ってくるな!」

数学の先生は怒って一言放ち、教室に戻っていった。

その時。

灰原優歌と土屋遥の二人は手すりに寄りかかって、揃って宿題を補習していた。

「灰原様」

土屋遥が突然呼びかけた。

灰原優歌はまぶたも上げずに、「何?」

土屋遥はこっそり近づいて、小声で尋ねた。

「クリームパンどこで買ったの?」

「……」

最初は嫌がっていたはずなのに。

「南栄通りのスーパーの隣、おばさんがやってるお店」

灰原優歌は淡々と言い終わると、付け加えた。「きれいなおばさんだよ」

土屋遥:「……」

実は、灰原優歌がそう言うのを聞いて、土屋遥はどの店か大体わかっていた。

男子の間でもずっと噂になっていて、南栄通りにきれいなおばさんがやってる店があるって。

でも、灰原優歌も見た目で選ぶタイプだとは思わなかった。

土屋遥が考え込んでいる時、灰原優歌は突然ペンを置いた。「終わった」

「?!!」

土屋遥は思わず彼女を見上げた。「この内容まだ習ってないよね?」

「そう?知らなかった」

灰原優歌は言い終わると立ち去ろうとしたが、土屋遥に引き止められた。

「灰原様灰原様、ちょっと助けてくれない?」

灰原優歌は眉を上げた。「問題が違うから、無理」

数学の先生は特別に二種類の違う問題を用意して、お互いに参考にできないようにしていた。

「一ヶ月分のクリームパンを買ってあげる」

それを聞いて、灰原優歌は黙っていた。

土屋遥は深く息を吸って、「二ヶ月分」

「見張りをして」

灰原優歌はさっと土屋遥の練習問題を受け取った。

土屋遥:「……」

南栄通りは今工事中で、だからクリームパンを買いに行くには遠回りしなければならない。

少なくとも十分余計に歩かなければならない。

土屋遥が自分は損をしたんじゃないかと考えていた時、十分も経たないうちに、灰原優歌は練習問題を彼の胸に投げ入れた。

そして自分は教室に入っていった。

土屋遥は一瞬呆然として、その後下を見ると、この字は彼のものと言わなくても、本当に全部埋まっていた!

灰原優歌は人間なのか?!!

七、八分で代わりに書いただけで、二ヶ月も走り回らせるなんて???

……

「こんなに早く?」