第466話 月例テストで頑張って50位以内に?

「この問題が解けないなら、帰ってくるな!」

数学の先生は怒って一言放ち、教室に戻っていった。

その時。

灰原優歌と土屋遥の二人は手すりに寄りかかって、揃って宿題を補習していた。

「灰原様」

土屋遥が突然呼びかけた。

灰原優歌はまぶたも上げずに、「何?」

土屋遥はこっそり近づいて、小声で尋ねた。

「クリームパンどこで買ったの?」

「……」

最初は嫌がっていたはずなのに。

「南栄通りのスーパーの隣、おばさんがやってるお店」

灰原優歌は淡々と言い終わると、付け加えた。「きれいなおばさんだよ」

土屋遥:「……」

実は、灰原優歌がそう言うのを聞いて、土屋遥はどの店か大体わかっていた。

男子の間でもずっと噂になっていて、南栄通りにきれいなおばさんがやってる店があるって。

でも、灰原優歌も見た目で選ぶタイプだとは思わなかった。