第460話 パソコンを教えてあげる

「ちょっと待って」

灰原優歌は彼を見つめ、彼の服装はボロボロだが、パソコンは大切に保管されていることに気づいた。

画面は彼女のものよりもきれいだった。

少し考えて。

灰原優歌は彼の前に歩み寄り、残りの七百元を彼の前に置いた。

「これが私の持っている全てです。用事があるので、先に失礼します」

老人は「……」

これは自分を当たり屋だと思っているのか!??

灰原優歌が立ち去ろうとするのを見て、老人は突然「こんなに簡単に帰るのか??」と言った。

しかし。

灰原優歌はそれを聞いて、この老人が自分を恐喝しようとしているのかと思った。

彼女は笑いながら、だらしなく頬杖をつき、辛抱強く彼の前にしゃがんで言った。

「おじいさん、私は学生なので、お互い理解し合えませんか?」

老人は「……」

この可愛らしい女の子が、なんてイライラする話し方をするんだ?

「このお金は、私にくれるのか?」

老人はお金を手に取り、奇妙な目つきで彼女を見た。

「はい」

しばらくして。

老人は結論を出した。

この子は話し方は腹立たしいが、悪い人間ではない。

「ただでもらうわけにはいかないな。パソコンの使い方を教えようか?」老人は考えてから、まるで大きな慈悲を施すかのように彼女を軽蔑的に見た。

「ありがとうございます。でも急いで帰って宿題をしないといけないので」

言い終わると、灰原優歌は立ち上がり、軽く笑いながら制服のスカートのしわを払った。

すぐに。

老人の視線の中、彼女はカフェに入っていった。

老人は「……」

最近の若者は、あまりにも人をごまかすのが上手すぎるんじゃないか??

「若いくせに、目が利かないなんて。天から降ってきた幸運がわからないのか?!」

老人はパソコンを投げつけたくなるほど怒り、長い間ぶつぶつと文句を言っていた。

突然。

目の前にまた清潔な白い靴が現れた。

「ケーキはいかがですか?」

老人が顔を上げると、灰原優歌が包装されたケーキとコーヒーを持って、彼に差し出しているのが見えた。

しばらくして。

彼はケーキとコーヒーを受け取り、つぶやいた。「君という子は、なかなかいい子だな」

灰原優歌は眉を上げた。「そうでもないです。ただ、あなたが面白い人だと思っただけです」