ニレイ十八舞踏会の招待状から、彼女はこの事態が面白くなってきたことを悟った。
あの人が現れたに違いない。
「もしそうだとすれば、これは厄介だな。ローシェルの勢力は複雑すぎる……」戸田霄は思わず眉をひそめた。
柴田裕香はどうやってローシェルの人と知り合ったのだろう?
「調べられるかどうかは、どちらでもいい。」
「はい。」
戸田霄は返事をして、「優歌、もう一つ話がある。」
「何?」
「音楽協会の選抜最終ラウンド、せめて見に行ってくれないか。」戸田霄はため息をつき、さらに続けた。
「映像で選考するんじゃないの?」
戸田霄は目を引きつらせ、「最終ラウンドは、他の二人の補佐役も雲城に来る。
その時、人に会いたくないなら、舞台裏から発言すればいいよ、どう?」
灰原優歌:「……いいよ。」