第470章 いじめられる側でしかない

「分かった分かった、うるさいな」

金井雅守と南崎希の二人は火鍋を食べ終わると、急いでカーテンを開けて換気した。

事務机に戻った金井雅守は南崎希を一瞥し、ゆっくりと言った。「まあ、A.M.研究所はあなたのために大会を開いているけど、気に入った継承者が見つかるかどうかは怪しいものだね」

「心配する必要はないわ。大会の日に、見に来るから」と南崎希は言った。

「そう、じゃあ服装を変えることを忘れないでね」

金井雅守のその言葉を聞いて、南崎希が反論しようとした時、金井雅守は意地悪そうに彼女を見て言った。「そうしないと、誰があなたの継承者になりたがるかも分からないよ」

南崎希:「……」

……

音楽協会選抜の第三ラウンドの前日。

柴田の父は眉間を押さえ、家に帰ってすぐに柴田裕香と見知らぬ少女を見かけるとは思わなかった。