戻ってきてから。
灰原優歌は、話すことができないヴィックと、ソファに座っている久保時渡を見渡した。
「二人で何を話してたの?」
「別に何も」
ヴィックは必死に首を振った。
灰原優歌:「……」
帰る時、ヴィックは灰原優歌を引き止めて話すことができなかった。なぜなら、彼は隣の男の独占欲を見抜いていたからだ。
彼はこの人に粉々にされたくなかった。
……
翌日。
灰原優歌は相変わらずギリギリに学校に着いた。
遠くから、校門で土屋遥は灰原優歌に出会った。
片手に豆乳、もう片手にクロワッサンを持って校門を入っていく様子を見て、両側の日直は飾りのようだった。
その状況を見て、土屋遥も隠すことなく、ポケットに入れたばかりのクロワッサンを取り出し、堂々と校門を入った。
しかし。
綺麗な黒髪ロングの女子が彼を止め、正義感あふれる様子で「同級生、朝食を持ち込んではいけません」と言った。