第492章 戦利品

戻ってきてから。

灰原優歌は、話すことができないヴィックと、ソファに座っている久保時渡を見渡した。

「二人で何を話してたの?」

「別に何も」

ヴィックは必死に首を振った。

灰原優歌:「……」

帰る時、ヴィックは灰原優歌を引き止めて話すことができなかった。なぜなら、彼は隣の男の独占欲を見抜いていたからだ。

彼はこの人に粉々にされたくなかった。

……

翌日。

灰原優歌は相変わらずギリギリに学校に着いた。

遠くから、校門で土屋遥は灰原優歌に出会った。

片手に豆乳、もう片手にクロワッサンを持って校門を入っていく様子を見て、両側の日直は飾りのようだった。

その状況を見て、土屋遥も隠すことなく、ポケットに入れたばかりのクロワッサンを取り出し、堂々と校門を入った。

しかし。

綺麗な黒髪ロングの女子が彼を止め、正義感あふれる様子で「同級生、朝食を持ち込んではいけません」と言った。