「うん」
灰原優歌は返事をした。
試験を続けていない学生たちは、思わず後ろを振り返って見た。
灰原優歌に特に興味を持っていた。
この女の子は、なんと金井様が直々に連れてきたのだ!!!
しかも、この第一次試験はもう半分以上過ぎているのに!!
「よし、じゃあ座席番号に従って、パソコンを選んで試験を受けなさい」
灰原優歌はそれを聞いて、さりげなく座席表に目を向け、内田和弘のいる列に視線を走らせた。
その時。
我慢できなくなった人がいた。
「先生、堀川明義が試験でカンニングをしています!」
男子学生が立ち上がって、憤慨して言った。
後ろにいた堀川紀明はそれを聞いて、男子学生を見る目に嘲りを込めた。
堀川明義は堀川紀明の息子で、ちょうど35歳で年齢制限ギリギリで大会に参加した。
「この試験はハッキング防御と攻撃技術のテストだ。試験要項では対ハッカーと書いてあるだけで、何人のハッカーに対抗するとは書いていないだろう」