第500章 灰原様:これは試合のルールに反するのでは

「うん」

灰原優歌は返事をした。

試験を続けていない学生たちは、思わず後ろを振り返って見た。

灰原優歌に特に興味を持っていた。

この女の子は、なんと金井様が直々に連れてきたのだ!!!

しかも、この第一次試験はもう半分以上過ぎているのに!!

「よし、じゃあ座席番号に従って、パソコンを選んで試験を受けなさい」

灰原優歌はそれを聞いて、さりげなく座席表に目を向け、内田和弘のいる列に視線を走らせた。

その時。

我慢できなくなった人がいた。

「先生、堀川明義が試験でカンニングをしています!」

男子学生が立ち上がって、憤慨して言った。

後ろにいた堀川紀明はそれを聞いて、男子学生を見る目に嘲りを込めた。

堀川明義は堀川紀明の息子で、ちょうど35歳で年齢制限ギリギリで大会に参加した。

「この試験はハッキング防御と攻撃技術のテストだ。試験要項では対ハッカーと書いてあるだけで、何人のハッカーに対抗するとは書いていないだろう」