第586章 一つの福永家では、まだ手に負えない(補4)

「土屋家の若旦那ですか?!」

福永健仁の周りの人々は、すぐに土屋遥の身分を認識した。

そして。

佐藤知行も近づいてきて、上品な口調で「福永社長、申し訳ありません。お邪魔してしまって」

その言葉が落ちると。

福永健仁の後ろにいた人々は目を見開いた。

「こ、これは佐藤家の次男坊!!?」

なぜこの女の子の周りには、こんなに身分の高い人ばかりなんだ??!

「どうした、君も彼女の同級生か?」

福永健仁は佐藤知行をじっと見つめながら尋ねた。

佐藤家と福永家は、付き合いがあった。

「いいえ、でも彼女は私たちの灰原様ですから」佐藤知行は軽く笑った。

明らかに。

この二人は灰原優歌を守ろうとしていた。

しばらくして。

福永健仁の視線が灰原優歌に向けられた。

彼も口元を歪め、鋭い眼差しで「君は凄いね。君が望めば誰でも味方になるんじゃないか?」