第18章 林馨を処罰する

「はい」林馨は振り返って出て行き、しばらくすると、全員が入ってきた。

東山裕は冷ややかに彼らを見つめ、冷たく言った。「君たちは皆、長年私に付いてきて、私のやり方も知っているはずだ。今回の件で、誰一人として責任を取ろうとしないなんて、本当に失望したよ!」

秘書たち全員が申し訳なさそうに頭を下げた。

東山裕は彼らとこれ以上話す気もなく、冷淡に言った。「誰も名乗り出ないのなら、全員退職してもらう!今日中に代わりの人が来る。心配するな、会社都合の退職だから、補償金は一銭も減らさずに支払う!」

「社長……」数人の秘書たちは血の気が引いた顔をしていた。

「東山」を離れたら、こんな待遇の良い仕事をどこで見つけられるというのか?

しかし、彼らがどんなに懇願しても、東山裕は彼らを解雇する決意を固めていた。

今回の件は、明らかにスパイが情報を漏らしたもので、「東山」が最も重要な時期に、会社に大きな打撃を与えることが目的だった。

東山裕はスパイが誰なのか突き止められず、全員を解雇するしかなかった。

彼のやり方はそうだった。千人を誤って殺しても、一人も見逃さない。

秘書たちも彼のやり方を知っていて、この態度を見れば、もはや何の余地もないことは分かっていた。

林馨も自分が解雇されると思い、目を伏せて密かに悲しんでいたとき、突然東山裕の声が聞こえた。

「林総監、今回は確かに職務怠慢があったが、自ら責任を取ろうとした姿勢を評価して、解雇は免除する。デザイン部に戻してもらうが、異議はないか?」

林馨は驚きと喜びで顔を上げ、信じられない様子で「いいえ、異議ありません!」

解雇されずに済んで、とても嬉しかった。

ただ、心の底では少し寂しかった。もう彼と近くで一緒に仕事ができなくなるから……

「異議がないなら、全員出て行け!」

「社長、これは不公平です……」誰かが我慢できずに抗議した。

東山裕は鋭い目つきでその人を見つめ、「責任逃れをする君たちの行為が公平だというのか?福岡市でやっていきたいなら、少しは賢くなることだ!」

そうでなければ、その者を完全に干すこともできる。そうなれば、もう誰も雇おうとする会社はないだろう。

このような脅しを受けて、誰がまだ何か言えるだろうか?皆、この処分を受け入れるしかなかった。

……