第46章 大きく火傷した跡

その中で、とても熱い視線があった。

それは林馨の目線だった。

彼女は最前列で指導している東山裕を見つめ、その目には尊敬、崇拝、賞賛、そして気づきにくい恋心が隠しきれずに輝いていた。

同時に、彼女はノートを取る姿勢も非常に真剣で、集中していた。

まるで彼女の目には、世界中に東山裕しか存在しないかのようだった。

海野桜は彼女のその集中力を見て、とても感心した。怪我をしてまだ数日しか経っていないのに、もう仕事に戻ってきたのだ。

さすがに仕事熱心だ。

前世で東山裕が彼女に惹かれたのも無理はない。

彼女は美しく、優秀で、仕事熱心で、さらに彼を崇拝している。まさに完璧な恋人だ。

前世で彼女に負けたのも、当然のことだったのかもしれない。

今世は東山裕に執着していないからよかった。でなければ、きっとまた惨めに負けていただろう。