第45章 彼女への軽蔑

彼は彼女の体を勢いよく返し、正面から彼女を見つめた。

海野桜は驚愕し、黒く輝く澄んだ大きな瞳は、驚いた小兎のように不安げな光を放っていた。

赤みを帯びた唇が微かに開き、弱々しく怯えた様子に、彼は突然その唇を味わってみたい衝動に駆られた！

東山裕の気配はより危険なものとなり、「さっき何て言ったか、もう一度言ってみろ」

「……」海野桜はもう言えなかった。直感が告げていた、もし言えば、事態は収拾がつかなくなるだろうと。

東山裕は邪悪な笑みを浮かべた。「俺が普通の男じゃないって？」

「違います……」海野桜は激しく首を振った。「そういう意味じゃありません！」

「お前はそういう意味で言ったんだろう。今すぐ証明してやろうか、俺が普通かどうかを！」

「そういう意味じゃないって言ってるでしょう！」海野桜は動揺していた。「さっきは言い間違いです、言い間違い！」

「本心が出たんだろう！」

「何ですって？」

東山裕は彼女の額に自分の額を押し付け、ゆっくりと、低い声で言った。「普段お前を疎かにしているから、俺が普通じゃないと思ったのか？」

「……」海野桜は目を見開いた。彼は何を言っているの？

東山裕は彼女の艶やかな唇を見つめ、瞳はより熱く暗くなった。「今夜、試してみるか？」

「……」海野桜は衝撃を受けた。彼は一体何を言っているの？！

東山裕は以前こんなではなかった。彼は行為の時、彼女と無駄話などしなかった。

そして彼女の前でこんな軽薄な言葉を口にすることも決してなかった。

だから一瞬、彼女はあまりの驚きにどう反応すべきか分からなかった。

突然顎を掴まれ、男は彼女の顔を上げ、黒い瞳が暗くなり、薄い唇が一瞬で押し寄せた！

彼が何をしているのか理解した時、海野桜は突然目を見開いた——

「やめて！」次の瞬間、彼女は恐怖に駆られて彼を押しのけた。その力は驚くほど強かった！

東山裕は体を押しのけられ、少し驚いた様子で、彼女がこれほど激しく拒絶するとは予想していなかったようだった。

海野桜は急いで体を起こし、転げるようにしてベッドから降り、「ソファで寝ます、ソファで寝るから良いでしょう！」

彼女は素早くソファに這い上がり、布団で自分の体をしっかりと包み、彼には後頭部だけを見せた。

東山裕の目の底に暗い色が走った。