彼女はまったくの役立たずだ!
でも、たとえ役立たずでも、東山裕に侮辱されるのは許せない!
海野桜は立ち上がり、見下ろすように彼を見た。「私を見下しているの?」
東山裕は意地悪く口角を上げた。「お前に見上げるところなんてあるのか?」
「いいわ、あなたが私を追い詰めたのよ!」海野桜は冷笑した。「東山裕、必ずあなたに自分の言葉を撤回させてやる!」
東山裕は嘲笑うように笑った。「自分を証明したいのか?何で証明するつもりか、見当もつかないがな」
彼の目には、彼女は何の価値もない、嫌われ者の女でしかなかった!
海野桜は彼にそこまで軽蔑されても、恥ずかしがったり怒ったりはしなかった。
彼女はテーブルの上のデザインコンテストの案内を手に取り、一字一句はっきりと言った。「このデザインコンテスト、私も参加するわ!私にどれだけの価値があるか、証明してみせる!」
東山裕は一瞬驚いた。「お前、これに参加するつもりか?」
「そうよ」
「よく見ろ、これは建築デザインコンテストだ。花や草をデザインするんじゃない!」
「分かってるわ。だからこそ参加するの」
東山裕は彼女の真剣な表情を見て、信じられない思いだった。
一体どこからそんな自信が湧いてくるのか。
「海野桜、お前は大学も卒業してないのに、建築デザインが何か分かるのか?」
「建物の外観をデザインするだけでしょう?内部構造は分からないけど、外観くらい描けるわ」
東山裕は冷ややかに鼻を鳴らした。「そんなに簡単なら、デザイナーなんて至る所にいるはずだ」
「そんなに簡単じゃないのは分かってる。でも私は外観なら描ける。私が描いた外観をあなたが認めたら、私の勝ちってことでどう?」海野桜は挑発的に尋ねた。
東山裕はまた思わず嘲笑い、皮肉な口調で言った。「いいだろう。外観だけでいい。お前にそんな才能があるのか、見てやろう」
「もし私が勝ったら、賞金500万円も欲しいわ」
東山裕は呆れた様子で、「自分の実力も分からないで!」
海野桜は得意げに笑った。「実力があるかどうか、その時になれば分かるわ」
東山裕は本当に彼女の考えが読めなかった。まさか、彼女は自信があるというのか?
しかし、彼女がデザインしたものが自分の承認を得られるとは思えなかった。