第64章 心臓の鼓動が乱れる

東山裕は彼女を褒めているの?

海野桜は喜びの表情を浮かべた。「あなたの言う通り、私の絵はとても良いの?500万円がもらえるの?!」

東山裕が目を上げると、彼女の輝く笑顔と目が合った。

彼女の澄んだ黒い瞳には……まるで星が輝いているかのように、眩しく光っていた。

東山裕の表情が一瞬恍惚とした。

海野桜は再び尋ねた。「そうなの?私、500万円がもらえるの?!」

東山裕は薄く微笑んで、「そんなに賞金にこだわるの?」

「もちろんよ。この500万円のためじゃなかったら、絵なんて描かないわ!」海野桜は心の喜びを抑えきれず、「私、500万円がもらえるの?」

彼女の期待に満ちた眼差しに、東山裕の心臓が突然乱れた。

彼は深く彼女を見つめ、思わず不思議そうに笑った。

自分はどうしたんだろう、狂ったのか病気なのか、さっきまで彼女の様子が……可愛いと思ってしまった。