相手の作品は、基礎がしっかりしていて、設計された作品には何の問題もなかった。
林馨のは、ちょっと目立とうとしすぎた……
だから今年の特等賞は、林馨には与えられない。
彼は皆に革新を奨励しているが、革新のために基本的なものを無視してはいけない。
それに革新しすぎるのも、良いことではない。
東山裕は林馨に壇上で彼女のデザインコンセプトを説明させたが、彼の表情は終始普通で、他のデザイナーに対する表情と同じだった。
林馨は壇を降りる時、心の底で少し落胆し、かすかな不安も感じていた。
彼女の直感は、社長が彼女の作品にあまり満足していないと告げていた。
去年は彼が彼女の作品を見て笑顔を見せたのに、今年は……
彼女はさらに心配になった。特等賞が取れないかもしれないと。
デザインコンテストは、すぐに終わった。
東山裕は幹部たちと相談し、受賞枠を決定した。
すぐに、名簿が会社のウェブサイトで公開された——
全員が次々とクリックして見に行き、林馨も緊張しながらサイトに入った。
ページが開くと、彼女はすぐに結果を目にした。
一位は彼女ではなく、二位でもなかった……
林馨は今回、四位だった!
彼女は信じられない様子で目を見開き、この結果を受け入れたくなかった。
特等賞は取れないかもしれないとは思っていたが、まさか上位三位にも入れないとは。
どうしてこんなことに……こんなはずじゃないのに。
彼女がデザインした作品は、最も独特なものじゃなかったの?
「林課長、四位おめでとうございます」同僚たちが祝福に来たが、彼女には皮肉に聞こえた。
去年は最高位を取ったので、今年も皆が高い順位を期待していたのだから。
林馨はどうしてもこの結果を受け入れられず、立ち上がって離れた。
社長に会いに行かなければならない、どこに問題があったのか知りたかった!
……
東山裕は昨夜休めず、朝もデザインコンテストで疲れていたので、今はとても眠かった。
彼は眉間をさすり、内線を押して秘書に言った。「2時間休むから、その間は誰にも邪魔させないでくれ」
「はい、社長」
秘書の声が終わるか終わらないかのうちに、オフィスのドアが突然開いた——
林馨が直接飛び込んできた。
東山裕は彼女の行動を見て、不快そうに眉をひそめた。「林課長、最も基本的な礼儀も忘れたのですか?」