第69章 第4位になった

相手の作品は、基礎がしっかりしていて、設計された作品には何の問題もなかった。

林馨のは、ちょっと目立とうとしすぎた……

だから今年の特等賞は、林馨には与えられない。

彼は皆に革新を奨励しているが、革新のために基本的なものを無視してはいけない。

それに革新しすぎるのも、良いことではない。

東山裕は林馨に壇上で彼女のデザインコンセプトを説明させたが、彼の表情は終始普通で、他のデザイナーに対する表情と同じだった。

林馨は壇を降りる時、心の底で少し落胆し、かすかな不安も感じていた。

彼女の直感は、社長が彼女の作品にあまり満足していないと告げていた。

去年は彼が彼女の作品を見て笑顔を見せたのに、今年は……

彼女はさらに心配になった。特等賞が取れないかもしれないと。

デザインコンテストは、すぐに終わった。

東山裕は幹部たちと相談し、受賞枠を決定した。

すぐに、名簿が会社のウェブサイトで公開された——

全員が次々とクリックして見に行き、林馨も緊張しながらサイトに入った。

ページが開くと、彼女はすぐに結果を目にした。

一位は彼女ではなく、二位でもなかった……

林馨は今回、四位だった!

彼女は信じられない様子で目を見開き、この結果を受け入れたくなかった。

特等賞は取れないかもしれないとは思っていたが、まさか上位三位にも入れないとは。

どうしてこんなことに……こんなはずじゃないのに。

彼女がデザインした作品は、最も独特なものじゃなかったの?

「林課長、四位おめでとうございます」同僚たちが祝福に来たが、彼女には皮肉に聞こえた。

去年は最高位を取ったので、今年も皆が高い順位を期待していたのだから。

林馨はどうしてもこの結果を受け入れられず、立ち上がって離れた。

社長に会いに行かなければならない、どこに問題があったのか知りたかった!

……

東山裕は昨夜休めず、朝もデザインコンテストで疲れていたので、今はとても眠かった。

彼は眉間をさすり、内線を押して秘書に言った。「2時間休むから、その間は誰にも邪魔させないでくれ」

「はい、社長」

秘書の声が終わるか終わらないかのうちに、オフィスのドアが突然開いた——

林馨が直接飛び込んできた。

東山裕は彼女の行動を見て、不快そうに眉をひそめた。「林課長、最も基本的な礼儀も忘れたのですか?」