彼女は東山裕の笑顔を見つめながら、大切なものを失ったかのように心が重くなった。
ずっと、海野桜は社長に相応しくないと思っていた。
すぐに離婚するだろうと思っていた……
でも今は、事態が自分の思っていたようではないと感じている。
もう彼を手に入れる機会はないのだろうか?
そう考えると、林馨は息ができなくなるような感覚に襲われた。
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海野桜は「東山」を出た後、別の場所へ向かった。
職業適性診断を受けに行ったのだ!
自分の興味や趣味を見つけ出して、その方向に向かって頑張りたかった。
しかし結果は……
【浜田さん、現時点では、あなたには特に趣味がないようですね。唯一の趣味は……恋愛?】
診断士の言葉と、信じられないという表情を思い出し。
海野桜は地面に穴があったら入りたいくらいだった!