第73章 唯一の趣味は恋愛

彼女は東山裕の笑顔を見つめながら、大切なものを失ったかのように心が重くなった。

ずっと、海野桜は社長に相応しくないと思っていた。

すぐに離婚するだろうと思っていた……

でも今は、事態が自分の思っていたようではないと感じている。

もう彼を手に入れる機会はないのだろうか?

そう考えると、林馨は息ができなくなるような感覚に襲われた。

**************

海野桜は「東山」を出た後、別の場所へ向かった。

職業適性診断を受けに行ったのだ!

自分の興味や趣味を見つけ出して、その方向に向かって頑張りたかった。

しかし結果は……

【浜田さん、現時点では、あなたには特に趣味がないようですね。唯一の趣味は……恋愛?】

診断士の言葉と、信じられないという表情を思い出し。

海野桜は地面に穴があったら入りたいくらいだった!