東山裕は歯を食いしばった。
この女は恩知らずで、本当に腹立たしい!
さっきまで彼女のことを考えていた自分は絶対に狂っていたに違いない!
先ほどの恥ずかしい行動を思い出し、彼は恥ずかしさと怒りで本を投げ捨て、さっとバスルームへ向かった!
海野桜は昼間ずっと寝ていたのに、すぐに眠りについた。
他に取り柄はないが、一つだけ得意なことがある。
横になって寝ようと思えば、すぐに眠れる。眠気を待つ必要もない。
とにかく、寝るのは一流だった……
東山裕がシャワーを浴びて出てきたとき、彼女はすでに眠っていた。
しかも寝相が悪く、片足がはみ出していた。
彼女を見つめるつもりはなかったのに、なぜか……彼女の小さな顔を見ていると、視線を外すことができなくなった。
どうせ彼女は眠っているし、アイマスクもしているから、彼が見ていることなど分からない。