海野桜は無邪気な表情を作って言った。「誰が下劣かって?下劣な人に向かって言ってるだけよ。あなたに言ったわけじゃないから、自分のことだと思わないで」
明らかに彼のことを言っているのに!
ふん、下劣なおじさんだって……
彼女に何かしたとしても、当然の報いだ!
それに、おじさんって何だ?
彼はまだ25歳なのに!
東山裕は怒るどころか笑みを浮かべた。「未成年なのに下劣な女の子の方が、よっぽど恥ずべきだと思うがな!」
「あなたなんて……」海野桜は恥ずかしさと怒りで顔を赤らめた。
若気の至りで彼にしつこく付きまとっただけじゃない。
どこが下劣なのよ?!
海野桜はパンを一口かじり、冷笑しながら言った。「私は少なくとも愛する勇気も憎む勇気もある。陰で下劣なことをする偽善者よりずっとマシよ。しかも19歳の女の子に手を出すなんて、考えただけでも恐ろしい!」