第79章 彼が先に手を出した……

海野桜は無邪気な表情を作って言った。「誰が下劣かって?下劣な人に向かって言ってるだけよ。あなたに言ったわけじゃないから、自分のことだと思わないで」

明らかに彼のことを言っているのに!

ふん、下劣なおじさんだって……

彼女に何かしたとしても、当然の報いだ!

それに、おじさんって何だ?

彼はまだ25歳なのに!

東山裕は怒るどころか笑みを浮かべた。「未成年なのに下劣な女の子の方が、よっぽど恥ずべきだと思うがな!」

「あなたなんて……」海野桜は恥ずかしさと怒りで顔を赤らめた。

若気の至りで彼にしつこく付きまとっただけじゃない。

どこが下劣なのよ?!

海野桜はパンを一口かじり、冷笑しながら言った。「私は少なくとも愛する勇気も憎む勇気もある。陰で下劣なことをする偽善者よりずっとマシよ。しかも19歳の女の子に手を出すなんて、考えただけでも恐ろしい!」