人はどこに行ったの?
東山裕と山田大川は至る所を探し回った。休憩室にも誰もおらず、どこにも見当たらなかった……
最後に清掃員に会って、やっと海野桜が図書室に行ったことが分かった。
東山ビルはとても大きく、全ての部署と施設が揃っていた。
最も素晴らしいのは、各階に小さな図書室があり、社員がいつでも学習や資料を調べられるようになっていることだ。
海野桜は何も分からないまま、資料を調べるつもりで来たものの、どの本を見ればいいのかも分からなかった。
結局、パソコンも一緒に持ってきた。
分からないところは、直接パソコンで調べることにした。
東山裕が入ってきた時、彼女は隅で資料に集中していた。
彼女の手元にはコーヒーが置いてあったが、もう飲み干されていた。
東山裕は深い眼差しで彼女を見つめ、海野桜がこんなにも真剣な時があることを初めて知った。