第121章 こんなに頭の悪い生徒

突然、濃厚な料理の香りが漂ってきて、海野桜は思わず唾を飲み込んだ。

まあ、確かにちょっとお腹が空いているかも……

東山裕は彼女の大好物の肉団子を取り分けて、「食べなさい。会社の規定では午後1時半から勤務だから、ゆっくり食べる時間はたっぷりあるよ」

だから昨日のように急いで食べないでほしい。

海野桜は彼の言外の意味が分からず、大きな口で食べ始めた。

「美味しい、すごく美味しい!」美味しさに幸せを感じて、海野桜は泣きそうになった。

東山裕は思わず笑みを浮かべ、「そんなに頑張っているんだから、好きなものを毎日食べさせてあげるよ」

「いやです!」海野桜は断った。

「どうして?」

「毎日食べたら、いつか飽きちゃいます。そうなったら何を食べても興味がなくなっちゃう」

「……」東山裕は頷いて、「そうだね。でも食堂の料理が好きじゃないみたいだから、明日からメイドに弁当を持ってこさせようか」