第156章 あなたと一緒にいたい

これは海野桜が今まで感じたことのないキスだった。

情熱的で、すべてを投げ出すようなキス。

前世で何度も夢見たキス。

前世では、命を懸けて愛しても得られなかったキス……

皮肉なことに、今世では、最も欲しくない時に手に入れてしまった。

この瞬間、海野桜の脳裏には、前世の様々な場面が浮かんだ。

最も鮮明に、最も痛ましく覚えているのは、彼女が自殺した日のことだった。

【裁判所は既に離婚を言い渡した。来月、私は馨と結婚する。今日ここに来たのは、それを伝えるためだけだ。】

東山裕のその時の冷酷な言葉は、死刑宣告を聞いた時よりも、彼女を苦しめ絶望させた。

彼は知っていた。来月、彼女が銃殺刑に処されることを。

それなのに彼と林馨の結婚式は、その時期に設定されていた。

彼の目には、彼女は何の価値もなく、何の感情も持っていなかった。