第164章 彼女を放っておくなんて、不可能だ

言葉が口まで出かかったが、彼女は恥ずかしくて言えなかった。

食べて飲んで遊ぶこと以外、彼女には何の取り柄もなかった。

「おじいちゃん、ご心配なく。私は何か身につけます。でも建築デザインは本当に学びたくないんです」彼女は東山裕とのすべての関係を断ち切ることを決意していた。彼の好意は受け入れないつもりだった。

彼に関することも学ばない。彼女の世界には彼は全く必要なかった。

浜田統介は鋭く問い返した。「じゃあ、何を学びたいんだ?そんなに長く考えて、決まったのか?」

「私は……」海野桜は目を動かし、笑って言った。「おじいちゃん、私、軍隊に入ろうと思います。除隊後も仕事はありますから!」

重要なのは、浜田家の地位があれば、除隊後にかなり良い仕事が用意されるということだった。