第168章 彼は本当にあなたのことが好きなのよ

幸い東山裕は今のところ良い振る舞いを見せているが、そうでなければ彼は決して黙っていないだろう。

東山裕が海野桜のために道を開こうとしているのなら、彼は拒否するはずがない。

海野桜がどう考えているかに関係なく、とにかく彼は一つの道理しか認めない。東山裕の手配が海野桜にとって百パーセント有益であればいいのだ。

有益なら彼は受け入れ、海野桜にも強制的に受け入れさせる。たとえ彼女が嫌がっても。

なぜなら彼は知っている。いつか海野桜は今の選択のおかげで、良い人生を送ることになるのだと。

海野桜は彼の意図を大体理解していたが、本当に受け入れたくなかった。

しかし、おじいちゃんの深い思いやりがあり、彼女は受け入れなければならなかった。受け入れないわけにはいかなかった。

よく考えた末、海野桜は福岡大学に進学する手配を受け入れることにした……