真っ暗な部屋の中で、彼女はベッドの上で丸くなり、目を開いたまま眠れずにいた。
頭の中では、東山裕の言葉が消えることなく残っていた。
海野桜は少しイライラして、東山裕がどうしてこんな風に変わってしまったのか分からなかった。
一度愛したら永遠だなんて、自分が彼女だと思っているのか?
とにかく彼がどう考えているにせよ、もう彼を愛したくはなかった。
だから、一度の甘い言葉に心を動かされることはないはずだった。
でも、寝つくまでにずいぶん長い時間がかかってしまった……
……
空が徐々に明るくなってきた。
早朝、海野桜は目を覚ました。
昨夜は遅くまで起きていたのに、あまり眠気を感じず、早くに目が覚めてしまった。
今日は土曜日で授業はないが、学校の図書館で勉強するつもりだった。
海野桜は素早く身支度を整え、朝食も取らずにバッグを背負って出かけた。
玄関を開けて外に出た瞬間、東山裕の車が目に入った!
海野桜は少し驚いた。彼の車がまだここにあるなんて。
海野桜は車の側まで行き、窓越しに東山裕がハンドルに伏せて眠っているのを見た。
昨夜からずっとここにいたの?!
海野桜は驚きを隠せなかった。
彼女の気配を感じたのか、男性はゆっくりと頭を上げ、少し寝ぼけた表情で、スタイリッシュな髪も少し乱れていた。
彼女を見ると、少し驚いた様子で、すぐに薄く微笑んだ。
車の窓が開き、東山裕が身を乗り出してきた。
「どこに行くの?」彼は低い声で尋ねた。声にも少し寝ぼけた感じが残っていた。
海野桜は認めざるを得なかった。東山裕はいつでもどこでも、どんな状態でも人を魅了する存在だった。
幸い、彼女の抵抗力はすでに十分に強くなっており、心を静めることができた。
「どうしてまだここにいるの?」海野桜は質問に答えず、逆に尋ねた。
男性は妖艶に唇を曲げた。「帰りたくなくて、気づいたら寝ていた。」
「もう帰っていいでしょう。」海野桜は冷たく言い放ち、背を向けて歩き出そうとした。
突然、腕を掴まれた——
眉をひそめて振り返り、「何するの?」
東山裕は上機嫌そうだった。「まだ教えてくれていないじゃないか、どこに行くのか?」
「学校の図書館よ!」
「朝ご飯は食べた?」
「食べたかどうか、あなたには関係ないでしょう?」