第179章 ジャスミンの歯磨き粉の香り

東山裕はすぐに彼女を有名な茶餐庁へ連れて行った。

この店は朝食で有名だったが、海野桜は以前怠け者で、朝食のために早起きして外出することは決してなかった。

これは彼らにとって、初めての朝食デートだった……

東山裕は彼女にメニューを渡し、「好きなものを注文して。今日は時間があるから、ゆっくり食べよう」と言った。

海野桜は冷淡な表情で、「時間がないわ。学校に行かなきゃ」と言った。

「今日は週末だよ。学校はないはずだ」

「勉強しに行くの。まだたくさん学ぶことがあるから」

「分からないことがあったら、僕に聞いてくれればいい」

「自分で考えるのが好きなの!」

「でも朝食は食べないと。どうやって勉強する体力が出るの?」東山裕は口元を緩め、いくつかの朝食メニューを注文した。「これらは好き?」