第192章 息が止まったようだ

海野桜は赤いデータを見つめ、頭の中が一瞬ぼんやりとした。

彼女は体を硬直させ、動くことができなかった。

周りの人々を見て、海野桜は困難に口を開いた。「早く逃げて、爆発するから……」

人質たちは、縄を解く暇もなく、転げるように外へ逃げ出した。

海野桜の目には、瞬く間に涙が溢れた。

すぐに、彼女は死ぬのだ……

前世では心残りのまま死んでしまった。今世では必死に生きようとしたのに、それでも運命から逃れられないのか?

どうして、ただ一生を平穏に生きることができないのだろう?

海野桜の心が絶望に覆われた時、突然、大きな人影が駆け込んできた!

東山裕は真っ先に、危険も顧みず、駆け込んできた。

ただ海野桜が中にいるのか、怪我をしていないか確認したかっただけなのに。

しかし、彼女の胸に取り付けられた爆弾を一目で見つけてしまった!