第210章 もう喧嘩はやめて

「はい、社長!」

「どこへ行くの?」海野桜は彼を見つめて執拗に尋ねた。

東山裕は軽く笑って言った。「相良剛と旧交を温めるだけだよ。知らなかったかもしれないが、以前は戦友だったんだ」

「桜さん、本当に昔話をするだけです。先に帰っていてください。また今度会いに来ますから」相良剛も笑顔で彼女に言った。

そう言うと、二人の男は振り返りもせずに立ち去った。

海野桜は少し躊躇した後、山田大川を引っ張って後を追った。

なぜか不安で、彼らが何か良くないことをしそうな気がした。

案の定、彼らはボクシングジムに向かった。

……

「バン!バン!バン!」

リングの上で、ヘッドギアとグローブを着けた二人は、容赦なく互いに攻撃を仕掛けていた。

一発一発が、相手を殺そうとしているかのようだった!