海野桜は少し困った様子だった。
でも、ここに残るしかなかった。
東山裕は怪我は重くなかったが、医師は酸素マスクを付けさせていた。
心電図モニターも取り付けられていた。
東山裕の心拍は正常で、大きな問題はなかった。
海野桜はこの時、全身の力が抜け、とても眠くて疲れていた。
昨日と今日、彼女は忙しく動き回っていて、もう耐えられなくなっていた。
海野桜は椅子に寄りかかり、すぐにうとうとし始めた。
しかし、彼女の眠りは安らかではなかった。
今日起きた全てのことが、彼女の脳裏に次々と浮かび、神経を苛んでいた。
どれくらい眠っていたのか分からないが、突然悪夢から目を覚ました!
目の前で静かに目を閉じ、深い輪郭を持つ東山裕を見て、海野桜はほっと息をついた。
幸い災難は過ぎ去り、誰も死ななかった。