第223章 9999本のバラ

柴田治人は彼女が心虚になって怖がっていると思い込んでいた。

彼は暗示的に彼女に近づき、冷たい声で言った。「でも安心しろ、俺はそんなこと広めたりしないさ!そんな過去なんて、話すだけで恥ずかしくなる。」

そう言うと、彼は冷ややかに彼女を突き放し、大股で階段を上がっていった。

橋本友香だけがその場に長い間立ち尽くしていた。

そして、彼女も多くのことを考えた……

考えたのは全て彼女と柴田治人の過去のことで、楽しかったこと、幸せだったこと、そして悲しかったことも……

16歳は少女の人生で最も輝かしい時期だと言われている。

しかし彼女の16歳以降、世界は灰色に染まってしまった。

なぜなら彼女と柴田治人の間には、もう何の喜びも残っていなかったから……

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橋本友香とは対照的に、海野桜が家に帰ると、リビングいっぱいの赤いバラが目に飛び込んできた!