「あっ……」一瞬のうちに、海野桜がコインの表裏を確認する前に、東山裕に引っ張られ、唇を激しく塞がれた!
男の突然の襲撃に、彼女は驚きで固まってしまった。
彼は激しく、乱暴に深いキスをし、まるで彼女を食い尽くさんばかりだった!
海野桜は本当に怯えてしまい、全力で彼を押しのけ、怒りの声を上げた。「何するの?!」
東山裕は背中をベッドの頭板にぶつけ、胸に激痛が走ったが、それでも口元には笑みを浮かべていた。
彼の目尻や眉にも、隠しきれない喜色が浮かんでいた……
その瞳は異常なほど黒く輝き、灼熱のように眩しかった。
「海野桜、表だぞ!」彼は得意げに言った。
海野桜は愕然とし、横を向いて床を見ると、コインは静かに横たわっており、確かに表だった。
まさか、表だなんて……
海野桜は少し呆然としていた。神様も彼にチャンスをあげることに賛成しているのだろうか?
東山裕は突然また彼女の体を引き寄せ、海野桜は不意を突かれ、彼の胸に倒れ込んだ。
男は再び彼女の後頭部を押さえ、キスを押し付けてきた——
「んっ……」海野桜は抵抗した。「何するの……」
東山裕は絶え間なくキスを続け、断続的に囁いた。「お前が言ったじゃないか……チャンスをくれるって……海野桜、今からお前は俺のものだ……俺の……」
海野桜は目を丸くした。
彼女が言ったチャンスというのは、彼と付き合うことを承諾したわけではないのに!
「東山裕、離して、そういう意味じゃないの……」海野桜が抵抗すると、男は彼女の拒否の言葉を聞いて、傷の痛みも気にせず全力で彼女を抱きしめた。
キスはさらに激しくなり、まるでこの方法で彼女を征服し、反対できないようにしようとしているかのようだった。
海野桜はすぐに息ができなくなってきた……
彼女は彼の胸に手を当て、再び全力で彼を押しのけた!
「くっ!」東山裕は苦しそうに呻き、思わず手を緩め、顔色も痛みで蒼白になった。
海野桜は息を切らしながら彼から数歩離れた!
「海野桜、約束を破る気か?!」東山裕は勢いよく顔を上げ、鋭い眼差しで威圧的に睨みつけた。
海野桜も怒りが込み上げてきた。「約束なんて破ってないわ。私が言ったのはそういう意味じゃないの!」
「じゃあ、どういう意味なんだ?!」東山裕は憤慨した。「俺を弄んでるのか?試してみろ?」