張本花江は喜んで叫んだ。「お父さん、お孫さんが、私と英司の娘の碧が見つかりました!」
浜田統介は一瞬固まった。「何だって?」
「お父さん、碧を見つけたんです!」浜田英司は嬉しそうに答えた。
浜田統介は彼らの喜びに満ちた表情を見て、何かを思い出したのか、頭が鳴り、顔色が一瞬で青ざめた。
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事故から48時間後、海野桜はようやく命の危機を脱した。
ただし、彼女はまだ目覚めていなかった。
東山裕は病院で丸三日彼女を見守り、橋本友香も毎日見舞いに来ていた。
四日目の早朝、橋本友香がまた訪れた。
東山裕は窓際で電話を切ったところで、橋本友香は入ってくるなり尋ねた。「東山様、桜はまだ目覚めていませんか?」
東山裕は昏睡中の海野桜を一瞥し、暗い声で答えた。「ええ」
橋本友香はベッドの側に行き、買ってきた花束をベッドサイドテーブルに置いた。
「桜ちゃん、もう大丈夫なのに、まだ起きないの?寝すぎはよくないわよ」と彼女は海野桜に冗談めかして話しかけた。
まだ反応がないだろうと思っていたが、突然、彼女のまつ毛が動いた!
橋本友香は目の錯覚かと思ったが、次の瞬間、海野桜がゆっくりと目を開けるのが見えた。
「東山様...」橋本友香が喜んで東山裕に知らせようとした時、彼はすでに駆け寄っていた。
「海野桜!」東山裕は身を屈めて海野桜をじっと見つめ、喜びと緊張の色を瞳に浮かべながら、「やっと目覚めた!医者を呼んで、誰か、医者を――」
医師はすぐに駆けつけた。
病床の周りには人が集まり、海野桜は少し茫然とした様子で彼らを見つめていた。医師は五本の指を立てて尋ねた。「浜田さん、これは何本ですか?」
海野桜は体が非常に弱っており、頭も痛く、喉もほとんど動かなかった。
彼女は医師に答えることができず、ただ苦しそうに眉をしかめた。
医師は三本の指に変えて、「浜田さん、これは何本ですか?」
「...」海野桜はまだ答えず、むしろ茫然としていた。
東山裕は眉をひそめ、彼女に近づいて「海野桜、私は誰だ?」
「...」海野桜は彼を一瞥したが、やはり反応がなかった。
「桜ちゃん、私たちのことわかる?」橋本友香も緊張して尋ねた。「桜ちゃん、記憶喪失になっちゃダメよ!」
記憶喪失という言葉に、東山裕は瞬時に緊張した。