第246章 東山裕の電話番号

おじいさんの寝室から出てきた海野桜は、リビングに入るとソファに座っている浜田碧を見かけた。

彼女は少し驚いた。皆が帰ったと思っていたからだ。

浜田碧は雑誌を読んでいたが、彼女が出てくるのを見て、心配そうに尋ねた。「おじいさん、大丈夫?」

「大丈夫よ」海野桜は首を振り、不思議そうに聞いた。「何か用事があるの?」

そうでなければ、なぜ皆が帰ったのに彼女だけまだ残っているのだろう。

浜田碧は雑誌を置き、立ち上がって言った。「ちょっと話があるの。今日から私はしばらくここに住むことになったの。両親の要望よ!」

海野桜は少し固まった。

正直に言えば、この見知らぬ従姉妹に対して、違和感がないわけではなかった。

今、浜田碧がここに住むことになって……

海野桜の心の中の違和感はより強くなった。