第248章 もう一度始めることを気にしない

離婚してからまだ2ヶ月も経っていないのに、彼女はもう落ちてしまったの?

なぜ東山裕はこんなに短い時間で彼女の心を動かすことができたのか。

前世で9年もの時間をかけても、彼の心を少しも動かすことができなかったのに?

この差を考えると、海野桜は自分の不甲斐なさにますます悔やまれた。

彼を愛していた時も、愛していなかった時も、全てが不甲斐なかった。結局最初から最後まで、彼の相手になれなかったのだ……

海野桜はこれらのことを考えながら、心の中は複雑な思いで一杯だった。

いつまた突然、彼に恋をしてしまうのか、自分でもわからなかった。

でも今世では、一つだけ確かなことがある。もう二度と彼のために全てを捨てたりはしない。

少なくとも尊厳、自分らしさ、そして学業は、絶対に手放すことはない。