第260章 ベッドごと持って行く

彼女は他人のためだけでなく、自分のためでもあった……

東山裕は彼女の顔に近づき、優しく唇にキスを落とした。「君の気持ち、良いことも悪いことも、全て僕のためであってほしい!」

海野桜は目を見開いて、不機嫌そうに尋ねた。「良いことは分かるわ。でも悪いことまで?東山裕、それはどういう意味?」

東山裕は低く笑い、黒く輝く瞳は笑みに満ちていた。

「意味は単純さ。僕だけを気にかけてほしいんだ。橋本友香だろうと誰だろうと、君の注意や感情を奪われたくないんだ!」

海野桜は驚き、すぐに彼の甘い言葉に頬を赤らめた。

でも、彼はあまりにも横暴で理不尽だった!

海野桜は彼に注意を促すことにした。「東山裕、はっきり言っておくけど、私はあなただけを気にかけることはできないし、私の世界があなた一人を中心に回ることもないわ」