第251章 海野桜、ありがとう

二つの寝室、キッチン、リビング、そして裏庭があります。

裏庭には温泉があり、庭にはたくさんの海棠の木が植えられています。

温泉のそばに一本の海棠の木が立ち、赤い花びらが水面に散り、詩情豊かな光景を作り出しています。

東山裕は彼女をここに連れてきて、まず食事をし、その後彼女の手を取って翡翠山荘を案内しました。

山荘の景色は美しく、至る所に咲き誇る花や木々があり、古箏の優雅な音色が漂っています。

道中、海野桜が目にしたのは、ペアで歩く男女ばかりでした。

中には浴衣姿のまま歩き回っている人もいるほどです!

でも幸い、人はそれほど多くなく、比較的静かでした。

東山裕は海野桜を願い池に連れて行き、低い声で笑いながら言いました。「真ん中の亀の甲羅が見える?」

「何をするの?」海野桜は問い返しました。

東山裕は彼女の手を離し、コインを取り出して、「もし亀の甲羅に当たったら、僕と再婚してくれる?」

「だめ……」海野桜は反射的に拒否しました。

東山裕は意地悪く彼女の言葉を遮り、「海野桜、君が決められないなら、天の意思を見てみようじゃないか。前回も、天は僕の味方だったんだ!」

海野桜は不機嫌そうに言いました。「だめはだめ。当たったからって結婚するなんて、都合よく考えすぎよ?」

「じゃあ、僕の彼女になって!」そう言うと、東山裕はすぐにコインを投げました。

海野桜は驚いて、すぐに緊張した様子で見つめました——

「カン!」コインは見事に石の亀に当たりました。

「当たったね。」東山裕は彼女をじっと見つめました。

海野桜は顔を赤らめ、なぜか動揺して、「だめ、カウントしないわ!私、承諾してないもの!」

「でも、拒否もしなかったよね。」東山裕は厚かましく言いました。

海野桜は腹を立て、「拒否する機会すら与えてくれなかったじゃない!」

「とにかく当たったんだ。」東山裕は身を乗り出して彼女に近づき、黒い瞳が暗く熱っぽく輝いて、「桜、この瞬間から新しく始めよう!」

「いや、んん……」海野桜の拒否の言葉は、瞬時に彼に遮られました。

彼女は目を少し見開いて、目を閉じて夢中になっている彼の姿を見つめ、なぜか抵抗することを忘れてしまいました。

キスは、どんどん深くなっていきました。