第274章 東山裕危篤

夜は更けていた。

海野桜は退院せず、引き続き病院に入院していた。

彼女はベッドで眠っていたが、少し落ち着かない様子だった。

朦朧とした意識の中で、東山裕がベッドの傍らで彼女を見つめ、撫でているような気がした……

海野桜は手を伸ばして彼をつかもうとしたが、空を掴んでしまい、目が覚めた!

周りの暗闇を見て、また夢を見ていたことに気づいた。

東山裕のことを思い出し、眠れなくなった海野桜は、彼に会いに行くことにした。

集中治療室に近づく前に、突然警報音が鳴り響いた。

医師と看護師の一団が素早く彼女の横を走り過ぎた!

海野桜は一瞬固まり、彼らの走る方向を見て顔が真っ青になり、不吉な予感が走った。

駆けつけた時、ガラス窓越しに、数人の医師が病室で東山裕の救命処置をしているのを目の当たりにした!