彼はその時とても驚いた!
すぐに飛び込んで、彼女を助け上げた。しかし、彼は自分が助けたことを彼女に知られたくなかった。なぜなら、彼女を助けたことに特別な意味はなく、ただ単に人命救助をしただけだったからだ。
そのため、彼女を病院に送った後、海野桜の電話番号を残して立ち去った。
ただ、その後、橋本友香が柴田家を去るとは思いもよらなかった。
後になって、彼は断片的に当時の橋本友香が自殺を図った理由を知ることになった……
彼女の母親が彼女を蘇我直哉に差し出そうとしていたのだ!
その日具体的に何が起きたのかは分からないが、おおよその想像はついた。
柴田治人は常々、橋本友香は偽善的な女の子だと思っていた。いつも弱々しい演技をしているが、実際は計算高い。
しかも目的のためなら手段を選ばない女だと。