案の定、間もなくして、彼女たちが病院を出る前に、東山裕から再び電話がかかってきて、部屋が見つかったと言った。
「病院で待っていてください。すぐに迎えに行きます」と東山裕は彼女たちを迎えに行くつもりだった。
海野桜たちは病院の入り口で長く待つことはなく、東山裕の車がすぐに到着した。
「東山様、こんにちは」橋本友香は彼を見て、急いで丁寧に挨拶した。
東山裕は頷いて、「こんにちは。皆さん、乗ってください。部屋が見つかったので、すぐにご案内します」
海野桜は驚いて:「どうしてこんなに早く見つかったの?」
男性は笑顔で彼女の頭を撫でながら、優しく言った:「これは些細なことだよ、簡単に見つかるものさ」
そうね、彼の能力はとても高いから、部屋を探すのは確かに彼にとっては小さなことだ。
しかし、隣にいた橋本友香は驚いて、疑問そうに彼らを見つめた。「桜ちゃん、あなたたち、付き合っているの?」
二人が仲直りしたことを、彼女はまだ知らなかった。
海野桜は恥ずかしそうに頷いた。
橋本友香は嬉しそうに笑って、「本当に良かった!桜ちゃん、東山様、おめでとうございます!私はあなたたちが一緒になると思っていました。本当にお似合いのカップルですね!」
東山裕はその言葉を聞いて心地よく感じ、橋本友香にとても満足した。
そして、とても綺麗に内装され、家電も完備された1LDKの部屋を見た後、彼は大きく手を振って、2年間の家賃を免除すると言った。
「このエリア全体の商業区は、東山投資の不動産です。このビル全体が高級マンションで、まだ完全には売り切れていません。この部屋を2年間無料で使ってください」と東山裕は橋本友香に言った。
橋本友香は驚いて、信じられない様子で:「2年間無料で住めるんですか?」
この辺りの不動産価格はとても高く、家賃も高額だということは周知の事実だった。
2年間無料で住まわせてくれるなんて、それはかなりの損失になるはずだ……
東山裕は頷いて、「ええ。契約書にサインしてもらう人が来ますが、2年間無料で住んでいただけます。誰も邪魔をすることはありません。2年後、もし継続して住みたい場合は、市場価格の家賃を支払っていただければ結構です」