海野桜は愕然として、とても信じがたい様子で「設計にミスがあるはずがない!」と言った。
東山裕の会社は、設計において今まで一度も問題を起こしたことがなかった。
しかも今回のプロジェクトは政府からも注目されており、東山裕がきっと慎重に対応したはずなのに、どうしてミスが起きるだろうか。
しかし、警察は設計に問題があると断定していた。
つまり、責任は東山にあり、主任設計者の頭上にもあるということだ。
東山裕は今ここにいないため、誰も彼女の責任を分担してくれる人がおらず、すべての責任が彼女に降りかかることになる……
「浜田さん、明日裁判所から起訴状が届きます。今日は心の準備をしておいてください。」
海野桜が警察署を離れる前に、警察官からさらなる悪い知らせを告げられた!
恍惚としながら警察署を出た海野桜は、冬の空を見上げ、寒気が骨の髄まで染み込むように感じた。
彼女は今でも、事態がこのような展開になったことを受け入れられなかった。
誰かが彼女を陥れているのか、それとも本当に不運なだけなのか?
実は前世での獄中生活を経験した後、彼女はこういったことをそれほど恐れなくなっていた。でも、やはり怖い……
彼女を待ち受けているのが、また獄中生活になるのではないかと。
あの冷たい刑務所は、本当にもう十分すぎるほど経験した。
しかし、まだ絶望するときではない。海野桜は良心に恥じることはしていない。きっと大丈夫だと信じていた!
家に帰ると、海野桜は冷静に浜田統介にすべてを話した。
老人は少し黙ってから「桜、怖がることはない。おじいちゃんが何とかするから!」と言った。
海野桜は笑って「おじいちゃん、私は怖くないわ。何も間違ったことはしていないから、心配していないの。」と答えた。
「うん、その通りだ!」浜田統介は同意して頷いた。
しかし彼は海野桜には言わなかった。この世界では、間違いを犯していなくても無事では済まないことがあるということを。
この世界は残酷で、誰かがあなたを殺そうと思えば、絶対に楽な道のりにはならない。
彼が恐れているのは、誰かが陰で彼らを陥れているということだった。
おそらく相手は東山裕を陥れようとしただけで、海野桜と東山裕の特別な関係のせいで、彼女も巻き込まれてしまったのだろう……