第281章 死にそうなほど痛い

東山裕は少し驚いて、二人分のパスタを持ってきながら、深い眼差しで「君が望むなら、一生君のために料理を作ることもできる」と言った。

そう言うと、彼は彼女の横を通り過ぎて出て行った。

海野桜はその場に数秒間呆然と立ち尽くしていた。

彼は一生彼女のために料理を作ると言ったのだ……

これは東山裕らしい言葉なのだろうか？

「早く来て、食事にしよう！」東山裕が彼女を呼んだ。

海野桜は心の揺らぎを抑えて、ダイニングに向かって座った。

東山裕の作ったパスタは芸術的で、パスタと牛肉、そしてソースが食欲をそそる見た目だった。

海野桜は驚いて「これ、自分で作ったの？」と聞いた。

「さっき見てなかったの？」男は眉を上げた。

さっきは彼のことを見とれていただけだった。海野桜は笑って「腕前がこんなに良いなんて思わなかった。きっと美味しいわ！」

海野桜は待ちきれずに一口食べた。東山裕は期待の眼差しで「どう？」と聞いた。

「うーん、ちょっと……」海野桜はわざと困ったような表情を作った。

東山裕は即座に深刻な声で「これは初めて人のために作った料理だ。美味しくなくても全部食べてもらう！」

「誰が美味しくないって言ったの？」海野桜は大げさに言った。「ちょっと美味しすぎるくらいよ！」

「……」

東山裕は一瞬驚いた後、笑みがこぼれ、目にも笑みが溢れた。

海野桜はさらに数口食べて、心から彼を褒めた。「とても美味しい。私が今まで食べた中で一番美味しいパスタよ！」

海野桜は本当に気に入っていて、目は喜びで輝き、星のようにキラキラしていた。

東山裕の心臓が突然激しく鼓動し始めた。

彼は目を暗くし、突然彼女を抱き寄せ、激しく唇を奪った！全力で、切なく熱い口づけと欲望。

海野桜は彼の激しさに少し驚いたが、抵抗はせず、ただ受け身で彼の激しいキスを受け入れた。

しばらくして、海野桜が窒息しそうになった時、やっと彼は彼女を離した。

二人とも息が乱れ、互いの目を見つめ合い、視線を外すことができなかった。

東山裕は彼女の手を取って胸に当て、深い声で尋ねた。「感じるか？」

海野桜は少し驚いて「あなたの鼓動？」

掌の下で、彼の心臓は速く、力強く打っていた。海野桜の心臓も、瞬時に激しく鼓動し始めた。

「違う、俺の心の痛みを感じるか？」東山裕は言った。