第304章 また東山裕の妻になった

東山裕は急に立ち止まった。

心の中は興奮と信じがたい気持ちでいっぱいだった。

彼女が承諾する可能性が高いと予想していたものの、それでも不安で、断られるのではないかと恐れていた。

ついに彼女の答えを聞いた今、東山裕は全てが報われたと感じた!

「おじいさんの件は、すぐに取り下げさせる。今日から、家に戻って一緒に住もう!」そう言うと、東山裕は即座に立ち去った。

彼は内心の興奮を見透かされるのが怖かった。あまりに恥ずかしい思いをしたくなかったのだ……

海野桜は彼が去っていくのを見送り、そして暗い瞳を伏せた。

ちょうど病院に駆けつけてきた浜田碧は、彼らの会話を聞いていた。

「本当に彼と再婚する気なの?」浜田碧は我慢できずに尋ねた。

海野桜は彼女を一瞥し、頷いた。「ええ」

「本当に大丈夫?」浜田碧は眉を上げた。「愛のない結婚に幸せはないわよ!」