「おじいちゃん、今日の調子はどう?良くなった?」海野桜はベッドの傍らに寄って心配そうに尋ねた。
浜田統介は笑って言った。「だいぶ良くなったよ。心配することはないよ。」
おじいさんの顔色は確かに良くなっており、海野桜は心から嬉しく思った。
二人は他の話題には触れず、日常的な会話を交わし、海野桜は彼の食事の世話もした。
気がつけば30分以上が経過していた。海野桜はおじいちゃんとの会話を楽しみ、離れがたい気持ちだった。
しかし東山裕から電話がかかってきて、早く降りてくるように催促された。
「分かったわ、すぐに行くから。」
海野桜が携帯を仕舞うと、浜田統介は尋ねた。「裕からか?」
「うん。」海野桜は頷いた。
浜田統介は深く考えながら言った。「桜、おじいちゃんは今でもお前たちが一緒になることに賛成できないんだ。お前が気にしないと言っても、自分の幸せを諦めてはいけない。東山裕と一緒では、幸せにはなれないよ。」