第313章 お前は俺のものだ

彼らも見えた!

東山裕は車のドアの前に立ち、サングラスをかけていたが、オーラが強かった。

多くの学生が彼に気付いていた。

彼は大股で海野桜に向かって歩いてきた。その様子は少し鋭い感じだった。

高遠隆行は好奇心を持って尋ねた。「あの人は誰?」

海野桜は答えず、ただ東山裕を見つめていた。

彼はすぐに彼女の前に来て、所有権を主張するように彼女の手を取り、高遠隆行を見ることもなく低い声で言った。「行こう、帰ろう」

そう言うと、彼は海野桜を連れて立ち去った。

高遠隆行はどんなに鈍感でも、二人の関係が並々ならぬものだと分かった。

海野桜の彼氏なのだろうか?では前回のあの男は誰だったのか?

誰であれ、高遠隆行には分かった。海野桜の周りの人々は並の人間ではないということを。

そして彼女自身も、普通の人間ではないようだ……