海野桜は彼の後ろを歩いていて、彼の動きに気付かず、突然彼の背中に衝突してしまった。
階段を降りていた彼女は、この衝突で全身が彼に密着してしまった。
彼の大きな体を感じた海野桜は、すぐに体を起こし、彼との接触を極力避けようとした。
東山裕は振り返って笑いながら言った:「少し考えたんだけど、やっぱり先に朝食を食べに行こうかな。」
海野桜:「……」
だから突然立ち止まったのは、ただ朝食を食べに行きたいと思っただけ?!
わざとでしょ!
……
朝食を済ませると、東山裕は海野桜を学校まで送った。
車から降りる前に、彼は突然彼女の手を取って尋ねた:「海野桜、他人がどんなに反対しても、周りの人がどう見ても。僕が君たちを助けたいと思う限り、君は最後まで頑張り続けるよね?」
海野桜は少し戸惑ったが、彼の意図を理解した。
彼は彼女に聞いているのだ。彼の家族が二人の関係に反対し、彼女の祖父を罰しようとしているが、彼が助けてくれる限り、彼女は何も考えずにそれを受け入れ続けるのかと。
海野桜の目が揺れ、ゆっくりと頷いた:「はい!」
東山裕は突然笑い出し、意地悪そうに言った:「君が祖父のことをそんなに大切にしているのは嫉妬するけど。でも、君がそんなに決意を固めてくれて嬉しいよ!」
彼女が決意を固めなければ、彼は彼女と一緒にいられなくなるから……
海野桜は視線を逸らし、「東山裕、私って自分勝手だと思わない?」
「君の自分勝手さに感謝してるよ。」と東山裕は答えた。
なぜ彼女の自分勝手さに感謝するの?
彼女が自分勝手でなければ、彼は彼女を側に置いておく方法が見つからないから?
午前中、海野桜は授業に集中できない様子だった。
昼食時、彼女は食堂に行かず、パンを買って図書館で少し眠り、その後勉強するつもりだった。
最近とても忙しかった橋本友香も、今日は図書館で勉強していた。
彼女も食事に行かず、食べ物を買って図書館に来て、人気のない隅で海野桜を見つけた。
「桜ちゃん!」橋本友香は彼女を見つけると、嬉しそうに駆け寄った。
海野桜も彼女を見て嬉しそうだった、「友香ちゃん、久しぶり。」
橋本友香は毎日勉強に追われ、アルバイトに追われ、様々なことに忙しく、確かに久しく会っていなかった。