だから彼女は一刻も早く真相を解明し、祖父を見つけ出して、安心したかった。
海野桜は仕方なく、J局に行って状況を確認することにした。
彼らは彼女にこう言った。「東山裕に尋問しましたが、何も話してくれません。ただ、あなたの祖父とは単なる旧交を温めただけで、特に何も話していないと言っています。あなたの祖父の失踪と彼との関連を証明する証拠がないため、彼に対して何もできません。」
やはりここに来ても、何の情報も得られなかった。
海野桜が帰る前に、彼らは更にこう付け加えた。「浜田さん、もし何か発見があれば、すぐに私たちに連絡してください。あなたの祖父は既に一週間行方不明で、どこを探しても見つからず、既に何か危害に遭っているのではないかと心配しています。」
海野桜は血の気が引いて、突然恐怖で胸が一杯になった!
そう、これが彼女の一番心配していることだった……
祖父が理由もなく失踪するはずがない。私たちが心配することを考えないはずがない。
でも、どこを探しても見つからず、姿を見せないということは、姿を見せることができないということ……
なぜ姿を見せることができないのか?海野桜はそれ以上考えることができなかった。
今は東山裕に会って全てを確かめるしかない。
彼に会うしかない……
しかし東山裕は会社にはおらず、連絡も取れない。一体どこで彼を探せばいいのだろう?
以前から彼は彼女を自分の世界に関わらせることを許さなかった。毎日家で彼を待つ以外、彼の私生活についてほとんど知らなかった。
せめて彼がよく行く場所を知っていればよかったのに……
海野桜は心配しながら車を運転し、とりあえず東山邸に行ってみることにした。しかし思いがけず、今回は運が良く、途中で東山裕の車を見かけた!
海野桜は心が躍り、急いで彼の側に近づき、焦りながら彼を見つめた。
東山裕も彼女に気付いた。
しかし、彼は横目で冷たく一瞥しただけで視線を逸らした。
海野桜は彼を止めようとしたが、残念ながら彼女の車は東山裕の車ほど性能が良くなく、彼がスピードを上げると、二人の距離は開いてしまった。
海野桜はアクセルを踏み込んだ。やっと追いついたと思うと、彼は更にスピードを上げた……
こうして二人は猫とネズミのように、追いかけっこを続け、かなりの距離を走った。
海野桜の忍耐も限界に達した!