第357章 いいえ、私はあなたを愛していない!

しかし今、彼女はすべてを見てしまった!

誰も見たことがない、特に海野桜に見せてはいけない一面が、このように暴露されてしまった!

東山裕の心は、突然恥ずかしさと怒りで一杯になった!

彼は突然海野桜に怒鳴った。「誰が入れと言った?!誰が許可した?!」

海野桜は一瞬固まり、彼がこれほど激しく反応するとは思わなかった。

「ただ物を返しに来ただけよ。それに、あなたの病気がとても重そうだから……」

東山裕は陰気に冷笑した。「私のことに関わるなと言っただろう?私の生死をそんなに気にかける理由は何だ?海野桜、言っただろう、お前の同情なんかいらないと!」

海野桜は言葉を喉に詰まらせ、不機嫌そうに言った。「東山裕、そこまでする必要ある?」

「私がこんな態度を取るべきじゃないと思ってるのか?まだお前を愛してると思ってるのか?!」東山裕は皮肉っぽく冷笑した。「これらを見たんだろう、私がお前を愛してると思ってるんだろう?」

「……」

「違う、私はお前を愛していない!」東山裕は彼女を見つめ、一字一句はっきりと言った。「私はただ自分を強制的にお前を忘れさせようとしていただけだ!今は、もう全部忘れた!だから、もう私を煩わせないでくれ。私から離れれば離れるほどいい!」

海野桜:「……」

「出て行け——」東山裕は突然怒鳴った。

海野桜は立ち上がり、無表情で「わかったわ、余計なお世話だったわね。さようなら!」

余計な言葉は言わず、彼女は振り返って出て行った。一秒でも長くここにいたくなかった。

ドアはすぐに閉められ、閉まる音がはっきりと聞こえた……

東山裕の目は一瞬虚ろになり、心も空っぽになって、冷たい風に吹かれているようだった。

部屋中の肖像画を見つめ、彼は特に目が痛く、苦しかった。

さっき自分は何を言ったんだ、どうしてあんな態度を取ってしまったんだ!

でも、他に何が言えるというのか……

まだ彼女を愛していて、どうしても忘れられないと言うべきだったのか?

いや、この先二度と言うまい。最後の人としての尊厳が、これ以上卑屈になることも、苦しむことも許さない。

そうでなければ、本当に死んでしまうだろう!

海野桜を忘れることだけが、生きていける道なのだろう。

ならば忘れよう、彼女を完全に自分の世界から追い出そう!