そう言うと、東山裕はポケットから金色の懐中時計を取り出した。
時計を開くと、中には時計ではなく、精密な盗聴妨害装置が入っていた!
まさか、こんなにも周到に準備していたとは!
海野桜は少し驚きながらも、思わず笑みがこぼれた。
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夕食を済ませ、二人は一緒に帰った。
帰るなり、海野桜は待ちきれずに東山裕に、彼の方法について尋ねた。
東山裕は低い声で言った。「もうすぐ全国経済サミットが開催される。これは非常に重要な会議だ。各地域から一人の企業家が代表として選ばれる。間違いなく、私が選ばれるだろう。その時、会議に参加して、この件を直接上に伝える機会がある。」
海野桜は即座に彼の意図を理解した。「国家の最高指導者たちに会いに行くということ?」
東山裕は頷いた。「ああ。今はこうするしかない。この問題を解決するには!他の誰に頼んでも、予期せぬことが起こる可能性がある。」