第387章 お前を手に入れる

……

ザーザー……

窓の外では、いつの間にか大雨が降り始めていた。

東山裕が去ってから、海野桜は一人でリビングに長い間座り込んでいた。

いろいろなことを考えていたが、何も考えていないようでもあった。

とにかく、心ここにあらずの状態だった……

考えているうちに、昔の自分のことを思い出し、今の東山裕は当時の自分そのものだと感じた。

たくさんの感情を注ぎ込んで、ただ応えを待っている。

応えが得られないと、怨みや苦しみを抑えきれなくなる……

感情の世界はなぜこんなに複雑なのか、なぜ愛には必ず憎しみが伴うのか。

だから人は、愛と憎しみは表裏一体だというのだろう。

愛がなければ、憎しみも生まれない。

愛が深ければ深いほど、憎むときもそれだけ深くなる。だから東山裕、あなたは今、私をどれほど憎んでいるの?