海野桜はすぐに気まずくなった。二人が彼女のせいで関係がさらに悪くなるなんて、絶対に避けたかった。
「桜ちゃん、実は東山様に帰ってもらう必要はなかったんじゃない?そうするとちょっと気まずいよ」橋本友香は心配そうに言った。
海野桜は無頓着に答えた。「大丈夫よ、どうせ今は彼に会いたくないし」
「あなたたち二人は...どうしたの?」橋本友香は探るように尋ねた。「なぜ喧嘩してるの?」
海野桜はすぐに東山裕の悪口を言い始めた。
「だって彼があまりにも浪費家なんだもの!」
「浪費家?」橋本友香は驚き、自分の耳を疑った。
東山裕は稼ぎ上手で有名なのに、どうして浪費家なんだろう?
そして彼女は海野桜の不満の数々を聞くことになった。
「友香ちゃん、あなたも知ってるでしょ、今彼の会社は深刻な赤字で、いつ経済危機に直面してもおかしくないのよ。なのに彼ときたら、毎日浪費してるの。この前から次々と私にプレゼントを送ってくるの!車に家に、宝石もたくさん、少なくとも1、2億円分よ。もっとひどいのは、私の名義で数億円も預金したこと!毎日彼を叱っても、まだ送り続けるし、しかも段々エスカレートして、今日なんて飛行機をプレゼントすると言い出したの。彼って浪費家じゃない?ひどすぎない?!」
橋本友香:「……」
「あなたたちはこれで、これで喧嘩してるの?」橋本友香は信じられないという様子で尋ねた。
海野桜は真剣に頷いた。「そうよ、あなたも彼がひどいと思うでしょ?それとも、私が恩知らずだと思う?」
橋本友香は彼女を見て、もごもごと尋ねた。「桜ちゃん、あなた本当に自慢してるんじゃないの?」
海野桜:「……」
……
東山裕は退院手続きを済ませ、病室に戻ると、海野桜がすでにきちんと着替えているのを見た。
橋本友香が彼女の荷物をまとめるのを手伝っていた。
彼が入ってくるのを見て、橋本友香は少し気まずそうに挨拶した。「東山様、こんにちは」
「こんにちは」東山裕は冷静な目で頷いたが、海野桜を見ると、目に優しさが溢れた。「全部片付いた?」
海野桜は頷いた。「全部片付いたわ。でも友香ちゃんと約束したから、先に食事に行くつもり。あなたも一緒に来る?」
東山裕は眉をひそめた。「君の体はまだ完全に良くなっていないのに……」