第484章 24時間私から離れてはいけない

「彼は三日以内に、必ずあなたを奪い取ると言っていた！」

海野桜は愕然とした。彼女は東山輝昭が言ったのがこのことだとは思わなかった。

でも、どうやって奪うというの？

東山裕は陰気に冷笑した。「彼は自分が誰だと思っているんだ？！お前を奪いたいなら、その力があるかどうか見ものだな！」

「警察に通報しましょう！」海野桜は彼を少し押しのけて提案した。「彼の目的を警察に伝えて、警察に対処してもらいましょう。」

東山裕は首を振った。「今、警察に通報しても無駄だ。」

「どうして？」海野桜は理解できなかった。

東山裕は低い声で説明した。「彼はただお前を奪うと言っただけで、どんな方法を使うとは言っていない。だから警察に通報しても、警察は彼に何もできないだろう。それに警察が彼を防ぐことができるとは限らない。もし彼が本当に何かをしようとしたら、誰も予測できない。」

海野桜はうなずいた。「あなたの言う通りね。じゃあこうしましょう。私は外出せずに、毎日家にいて、どこにも行かない。そうすれば彼は私に接触できないわ。」

東山裕は彼女の肩をしっかりと掴み、断固とした口調で言った。「いや、お前は私のそばにいるんだ。24時間私から離れてはいけない。そうしてこそ私は安心できる！」

「わかったわ、あなたの言う通りにするわ！」海野桜に異論はなかった。彼が言うことがすべてだった。

そして、彼女は本当に24時間東山裕についていくようになった。

実際、彼らはもともといつも一緒にいたのだが、今はより一層確実にいつも一緒にいるようになった。

彼らは東山輝昭がどのように行動するのか知らなかった。

だから、このように注意深く警戒するしかなかった。

時々、海野桜は思わずにはいられなかった。東山輝昭は並の人物ではないが、東山裕も彼と対抗する能力があるはずだ。

しかし、なぜか彼女は東山裕が彼をとても警戒しているように感じた。

それはなぜだろう……

海野桜と東山裕は普通に仕事をし、生活していた。

まるで東山輝昭の影響を全く受けていないかのように。

あっという間に2日が過ぎたが、東山輝昭からは何の動きもなかった。

しかし東山裕は少しも警戒を緩めず、むしろより一層慎重になっていた。

東山輝昭の残忍さを彼ほど知っている人はいなかった！